東京ディズニーリゾート施設内の野良猫に「引っ掻かれ、噛まれた」という被害を訴える投稿が話題に。オリエンタルランドと浦安市に見解を聞いた。

    ディズニーランドディズニーランドPhoto:Sirabee編集部

    ここ日本で「夢の国」と言えば、多くの人が東京ディズニーリゾートを思い浮かべる。

    しかし現在ネット上では、夢の国で起こった流血騒動が波紋を呼んでいるのをご存知だろうか。

    ■ディズニー園内の野良猫による負傷

    ことの発端は28日、とあるXユーザーが投稿した一連のポスト。

    「先日、ディズニーランドのパーク内で猫に引っ掻かれ、噛まれて怪我をしました」という書き出しから始まる投稿は「食事中、肉を取ろうとしたのか猫に突然攻撃され、手から出血し、着ていた洋服も汚れてしまいました。私は猫に触れたり、刺激したりしていません」と続く。

    その後、ディズニーに問い合わせたところ「補償や病院代の支払いは特に無い」という回答が得られたという。

    投稿には園内に植えられた植物の側に佇む猫と、投稿者の腕にできた生々しい傷の写真・動画がそれぞれ貼られていた。

    投稿者は一連の出来事と対応を受け、「楽しい時間を過ごすために訪れた場所で突然けがをしたうえ、治療費なども自己負担になることに戸惑っています」と、心境を吐露。

    「このような場合、運営側に補償を求めることは難しいのでしょうか?」と、疑問を綴っている。

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    ■「保健所に通報すべき」「状況が不自然」と賛否

    一連のポストは、投稿されるや否や、瞬く間に話題に。

    ディズニー園内で見られる野良猫に関しては以前から話題となっていたこともあり、「ディズニーの野良猫問題、どうにかならないのかな」「野生の猫でしょ? マジで無理なんだけど」「保健所に通報すべき?」といった意見が寄せられている。

    一方で、投稿主の言い分に疑問を覚えたユーザーも少なくなく、「噛まれた傷の位置的に、顔を触ろうとして噛まれた場所なのでは」「猫の口元まで手を開いた状態で近づけて、口を塞ぐような仕草をしないとあの位置には傷がつかない」などの指摘も多数確認できた。

    浦安市に問い合わせいたしました。

    浦安市からTDLの方には捕獲や不妊化の案内をしているとのことです。

    民有地なので判断はTDLに委ねられますが、一番効果あるのはオリエンタルランドの株主の方が株主総会で意見してもらえると直接的な働きかけになるかなと思います。#ディズニーランド#パーク猫 https://t.co/yu1Qk8qTyJ

    — 宮本 しゅんま (荒川区議会議員) (@miyamoto_shunma) October 29, 2026

    さらに、この状況になぜか東京都荒川区議会議員の宮本しゅんま氏が参戦。

    「浦安市に問い合わせいたしました。浦安市からTDLの方には捕獲や不妊化の案内をしているとのことです。民有地なので判断はTDLに委ねられますが、一番効果あるのはオリエンタルランドの株主の方が株主総会で意見してもらえると直接的な働きかけになるかなと思います」と投稿し、議論がさらに白熱する事態となった。

    そこで今回は、一連の出来事の詳細をめぐり、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド、浦安市に話を聞いてみることに。

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    ■ディズニー運営は野良猫の存在「認める」

    取材に際し、オリエンタルランド広報は「パーク敷地内に野良猫が出入りしていることは把握しております」と認める。

    その上で、「なお、テーマパーク利用約款において、パーク内の野鳥等の動物へのエサやりや手を触れる行為を禁止行為とする旨をお知らせしているほか、野良猫につきましては、すでに浦安市と相談しながら対応の検討は行っておりますが、動物へに配慮や関係法令を踏まえ、引き続き慎重に検討のうえ、適切に対応してまいります」と、現状の対応について説明してくれた。

    また、今回の議題に上がった「補償や病院代の支払い」等に関する対応については「ゲストの皆様がお怪我等をされた場合は、様々な状況を踏まえて判断しており、個別の対応については回答しておりません」と、説明。

    なお、同社ではこうした事例に対し、テーマパーク利用約款にて項目を定め、パークを運営しているとともに、東京ディズニーリゾート・オフィシャルホームページに掲載し、ゲストにも通知を行っている。

    その内容は以下の通り。

    (第7条)「1.お客様はパークの利用にあたって、以下の行為を行ってはならないものとします。なお、本項の違反は、当社が合理的根拠に基づき合理的に判断するものとします。(1)他のお客様のご迷惑となる行為やパークおよびその関連施設の営業または運営の妨げになる行為、ならびにこれらのおそれのある行為(中略)野鳥等の動物へのエサやりや手を触れる行為」

    (第12条)「1.当社は、お客様のパーク利用にあたり、当社の責めに帰すべき事由によりお客様に損害を与えた場合、特別損害および逸失利益を除いた範囲で、その損害を賠償する責任を負うものとします」

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    ■浦安市の対応は「情報提供」

    続いては、浦安市の環境衛生課に本件について尋ねてみる。

    宮本氏のポストにあった「浦安市からTDLの方には捕獲や不妊化の案内をしているとのことです」という文面を受け、浦安市による「行政指導」を連想した人もいるかもしれない。

    しかし、浦安市に確認したところ、その実態は「行政指導」はおろか「案内」ですら無いと判明。

    と言うのも、行政が野良猫問題で積極的な指導を行うのは、糞尿や鳴き声など、近隣住民への生活被害が見られるケースである。しかし、今回のケースは住宅街から離れた東京ディズニーリゾートの、それも「私有地」の中で起こっている話。

    そのため、浦安市ではオリエンタルランド側に対し、浦安市で行っている野良猫対策(追い払い、去勢手術等)をあくまで「情報提供」として行っているに過ぎないのだ

    …と、ここで気になった点が一つ。前出のように、東京ディズニー敷地内で見られる野良猫は「生活被害」とは程遠い存在であり、行政が関与するケースではない。

    ならば、なぜ浦安市はその存在を認知し、オリエンタルランドに情報提供を行っているのだろうか。

    こちらの疑問に対し、環境衛生課は「東京ディズニーリゾートを訪れた方々から市に情報提供が寄せられたことを受けての対応となります」と、説明していた。

    また10月30日時点では、千葉県内にある市川保健所にはこうした通報の事例は寄せられていないという。そのため投稿主の説明が真実であれば、今回話題となった負傷はかなりのレアケースと思われる。

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    ■執筆者プロフィール

    秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

    新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

    X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路・鉄道ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所、鉄道会社に太いパイプを持つ。

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    (取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)

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